株式会社サウスエージェンシー
代表取締役

1999年、沖縄県生まれ。21歳で地元である沖縄県のIT企業に入社し、それまでほとんど触れてこなかったIT技術に時間を忘れるほど熱中する。1年間の勤務を経て上京し、22歳で個人事業主として資金調達支援事業を開始。その後、フィンテック領域への強い関心から、わずか1年後の2023年3月に株式会社サウスエージェンシーを設立した。現在は業務管理ツール「ジョブマネ」を中核に、「SA請求書カード払い」や「SAクラウドファクタリング」などのBtoB向けクラウドサービスを展開し、企業の倒産を防ぐ仕組みづくりに挑んでいる。
私のキャリアは、21歳のときに沖縄県内のIT企業に就職したことから始まりました。実は、それまでパソコンにはあまり触れてこなかったのですが、業務を通じて初めてIT技術に本格的に触れ、その面白さに引き込まれていったのです。時間を忘れるほど熱中した1年間は、今の私の原点となっています。
その後、22歳で東京に移り住み、個人事業主としての道を歩み始めました。当時から私はフィンテック系のサービスに強い興味を持っており、特にキャッシュレス決済やネット銀行など、金融とテクノロジーが融合した領域には大きな可能性を感じていました。とはいえ、BtoC向けのサービスは大企業が中心です。そこで着目したのが、BtoB向けのフィンテック領域でした。
個人事業主として取り組んだのは、資金調達支援事業です。税理士の方々と提携し、創業融資や補助金を必要とする企業を紹介する成功報酬型のビジネスモデルを構築しました。そうして、事業の開始から1年が経ったころに、法人化をすることとなります。なぜなら、金融や決済系の事業を本格的に展開するには、個人では信用力も資金力も不足していたからです。また、この方向性で事業を拡大していこうと心を決めたのも、ちょうどこの時期でした。そこで、2023年3月に株式会社サウスエージェンシーを設立し、個人事業主として培った経験を活かしながら、新たなステージへと踏み出しました。
現在、弊社では子会社が開発・販売する業務管理ツール「ジョブマネ」を中心に、請求書をクレジットカードで決済可能にする「SA請求書カード払い」や、「SAクラウドファクタリング」という売掛金の早期資金化を叶えるサービスなどを展開しており、いずれもベンチャー企業の経営を支える事業として成長を続けています。
弊社が事業を展開する上で最も大切にしているのは、「ベンチャー企業を支援し、共に成長する」という価値観です。残念ながら、中小企業の倒産や廃業は非常に多いのが現状で、私はその要因が資金繰りや管理体制にあると考えています。だからこそ、弊社はこの2つの課題を解決できる仕組みづくりに注力しているのです。
たとえば、ジョブマネでは顧客管理や請求書発行など、業務を管理する機能のほかに管理会計と呼ばれる機能も備えており、経営状況を可視化することで意思決定をサポートしています。また、SA請求書カード払いやSAクラウドファクタリングでは、企業が資金繰りの課題に直面した際、迅速に対応できる体制を整えています。
弊社のサービスに共通する特徴は、「クラウド完結」と「低価格」です。ジョブマネの利用料も、SAクラウドファクタリングをはじめとするサービスの手数料も、負担なくご利用いただける価格帯を意識しています。
実際にご利用いただいた企業様からは、「今まで誰が管理しているか分からなかった案件や請求書を一括管理できて、業務がスムーズに回るようになった」という声や、「大きい仕事を受注する際に、決済サービスやファクタリングサービスが役に立った」といった反響をいただいています。
会社員としての経験がほとんどなかった私にとって、起業当初は戸惑いの連続でした。商談の席で相手から「資料をください」と言われたとき、私は「資料とは何を指すのだろう?」と内心で焦ったことがあります。提案には資料が必要だという基本的なことすら、当時の私は理解できていなかったのです。ビジネスマナーや基礎知識の不足を、身をもって実感した出来事でした。
しかし、そうした経験が私を育ててくれたのも事実です。分からないことに直面したときは、周囲の方に正直に話してアドバイスをいただく。そして、自分自身でもWebなどを使って調べ、何が適切だったのかをしっかり振り返る。今の時代は調べれば多くの情報が手に入りますから、その都度学びながら成長してきました。
創業から2年余りが経過した今は、新たな課題にも向き合っています。それは組織づくりの難しさです。最初は1人で始めた事業も、人が増えるにつれてさまざまな問題が見えてきました。プレイヤーとして売上をつくっていた立場から、徐々に経営者としての役割にシフトしていく。この転換期を今、まさに経験しているところです。
今後、私が最も力を入れたいと考えているのは会社を大きくしていくことです。具体的には、雇用を増やし、より多くの仲間と事業を成長させていきたいと考えています。1人で始めた事業は、今では複数のメンバーとともに動かせるようになりました。その中で感じるのは、みんなで1つの目標に向かって取り組み、それを達成したときの喜びの大きさです。この喜びを、もっと多くの仲間と分かち合いたいという思いが強くあります。
同時に、弊社のサービスをより多くの企業様に届けていくことも重要な目標です。ジョブマネをはじめとするサービスは、必要としている企業様がたくさんいらっしゃるはずです。そうした企業様に確実にサービスをお届けすることで、事業の円滑な運営や資金繰りの改善に貢献していきたいですね。
学生の皆さんに伝えたいのは、1つのことに没頭し、夢中になって取り組んでほしいということです。何に取り組むかは問いません。私の場合、21歳でWeb制作会社に就職したときが転機でした。そこで時間を忘れるほど熱中した経験が、今の事業の基盤になっています。
なぜ熱中することが大切なのか。それは、本気で取り組んだ経験が自分の引き出しになるからです。話が面白い人は仕事もうまくいきやすいものですが、その面白さは深い経験からしか生まれません。表面的な知識ではなく、本気で向き合い深く掘り下げた体験があるからこそ、人に響く面白い話ができるようになるのです。
また、若さゆえの体力と行動力も最大限に活かしてほしいとも思っています。私の周りもよく言っていますが、これらは年々衰えてくるものです。だからこそ、若いうちは恥ずかしさを捨てて、やりたいと思うことは全てやってみてほしいですね。
私が一緒に働く仲間に求めるのは、素直さです。なぜなら、たとえスキルや知識が豊富でなかったとしても、素直な姿勢があればどんどん吸収して成長できるからです。弊社は20代が半分を占める若い組織。新しい事業をつくりたい、企業の成長を支援したいという熱い思いを持った素直な方と、ぜひ一緒に働きたいと思っています。あなたの熱量を、ベンチャー企業を支える事業にぶつけてみませんか?