株式会社Entime
代表取締役
「面倒くさい」を解消し、人が本来の仕事に集中できる世界を創りたい—
福岡大学卒業後、教育業界での経験、医療機器メーカーでの営業を経て、2021年7月に地元、宮崎で株式会社Entime(以下、Entime)を創業。現場に深く根ざした伴走型サポートと、AIやLarkを活用した実践的な研修による自走力の育成を強みとしている。30名~100名規模の中小企業、特に紙文化が根強く残り社内にIT人材が不足している企業を中心に、業務改善・仕組み化を支援。
自らも第一線に立ち、顧客の悩みに合わせた柔軟な働き方と組織づくりを提案している。著書に『コンサルの数値化戦略』がある。一見、畑違いにも見えるその歩みの裏には、自身の「もどかしさ」と「挫折」から生まれた、地方の中小企業への熱い想いと、揺るぎない信念が隠されていた。
人口減少と採用難が進む地方こそ、業務効率化は単なる改善ではなく企業の生存戦略です。 紙はもちろん、ExcelやGoogleスプレッドシート(以下スプシ)で回している業務も、「共有・承認・通知・履歴管理」の限界に直面しがちです。
しかしLarkなら、
・承認フローをボタンひとつで完結
・データをダッシュボードで可視化が可能
・スマホで使えて無料からOK
・チャット・ドキュメント・データベースを一気通貫
――と、紙・Excel・スプシでは届かない領域まで業務を拡張できる。
だから私たちは、「紙/Excel/スプシ文化の企業」を最優先で支援しています。
こうした想いのもと、Entimeは現在、主に「教育事業」と「システム構築事業」という2つの柱で、企業のDX化・負担削減を支援しています。
1. 教育事業:AIとLarkで「自走できるDX人材」を育てる
まず「教育事業」では、法人・個人を問わず、AIやLarkを活用して日常業務を改善するためのノウハウを提供する研修サービスを展開していいます。
法人向け研修では、勤怠管理・経費精算・顧客管理といった具体的な業務に焦点を当て、単にツールを教えるだけでなく、業務フローの見直しから現場で定着する仕組み化までを伴走型で支援しています。
また、個人やより実践的な学びを求める層に向けては、「どこでもAI」という独自のサービスを提供しているのが特徴です。 「『どこでもAI』では、理論から学ぶのではなく、私たちが作ったオリジナルのAI(GPTs)をまず業務で体験してもらいます。『どこでもドア』のように、すぐに目的地(=活用できる状態)に到達できる。この『使いながら学ぶ』スタイルなら、未経験者でも挫折せず、AIを実務で活かす感覚を掴みながら理解を深められます。
2. システム構築事業:現場に最適化された「業務効率化の仕組み」を実装
次に「システム構築事業」では、AIやLarkなどを活用し、クライアント一人ひとりの状況と課題に深く向き合い、オーダーメイドで業務効率化の仕組みそのものを設計・実装します。
例えば、部門ごとにバラバラだった申請フローや情報管理をLark上で統合・自動化したり、既存の基幹システムと連携させたりするなど、教育だけでは解決が難しい、より複雑な業務プロセスの最適化を実現しています。「単にツールを導入するだけでなく、それが現場で本当に活用され、効果を発揮するための『仕組みづくり』までを徹底的にサポートしています
教育と構築は矛盾しない? 顧客に合わせた最適解を提供
一見すると、「教育事業」で自走を促すことと、「システム構築事業」で仕組み自体を提供することは矛盾するように聞こえるかもしれません。しかしこれらは顧客に合わせた提案です。
「企業の状況や課題のフェーズは様々です。『まずは自分たちで学びながら進めたい』という企業もあれば、『専門家に任せて、できるだけ早く高度な仕組みを導入したい』という企業もあります。また、初期の複雑な構築は私たちが行い、その後の運用改善は研修を通じてお客様自身で担っていただく、という連携も可能です。私たちの目的はあくまでお客様の業務が最適化され、人が本来の仕事に集中できる環境を作ること。そのために、教育と構築、両方の選択肢を用意し、お客様にとって最適な方法を一緒に考え、提供しているのです。
構築で得た知見が教育内容を豊かにし、教育でお客様のリテラシーが上がることで、より効果的なシステム導入が可能になる、という相乗効果も生まれています」
Entimeを立ち上げるまでの原点をたどると、私の学生時代にさかのぼります。もともと教員を目指していた私は、福岡大学でスポーツを専攻し、保健体育の教員免許を取得しました。大学卒業後は地元・宮崎に戻り、野外教育関連の仕事に就いたんです。
野外教育の職員としてとして子どもたちと過ごす日々はやりがいがありました。ですが毎日が同じ業務の繰り返しで、名簿は手動入力・FAX申込・Wordで作成というアナログ業務に追われ、子どもと向き合う時間が削られる“もどかしさ”を痛感します。将来の選択肢が限られていることに将来の不安を感じるようになったんです。そのため「自分の力がどこまで通用するのか試してみたい」と思い、思い切って未経験から外資系の医療機器メーカーに営業職として飛び込んだんです。
ただ未経験からの転職だったこともあり、最初は失敗の連続でした。なぜなら今までは小学生相手だったのがいきなり医者や看護師になったからです。当然解剖学の勉強も必要になりますし、営業の型も勉強しなければ提案までこぎつけることもできません。成約を取れないことなども多く、挫折を感じたことも数え切れません。ですが医師や看護師の声に真摯に耳を傾け、現場を理解したうえで提案しつづけたことにより、少しずつ成果が出るようになりました。
そして2019年、当時勤務地だった広島で、新型コロナウイルスの影響が広がりはじめました。外出制限のなかでいろいろと情報を集めていると、地元である宮崎で多くの店舗が経営不振に陥っている話を耳にしました。私の父親も以前自営業を営んでおりましたので、経営に悩む人たちの姿は、決して他人事ではありませんでした。
そのため「自分にできることがあるのではないか」と思った私は、当時自己投資して学んでいたSNS運用のスキルを活かして、まずは副業としてSNSの運用支援をスタートしました。試行錯誤の連続でしたが、手応えを感じる場面も増えていき、2021年7月、地元・宮崎にて株式会社Entimeを設立しました。
私は創業当初から常に「雑務に奪われない、楽しく働ける職場を増やしたい」と考えています。
上記にも記載しましたがこの「もどかしさ」は、教育現場だけではなく、多くの業界にも共通する慢性的な課題だと思っています。もっと本質的な仕事に集中したいのに、それをはばむような雑務に追われている。そんな悩みを抱える企業は本当に多いと感じています。
でも、業務の全体像をしっかりと整理し、それに合ったツールや仕組みを丁寧に設計すれば、日々の“面倒くさい”はぐっと減らせます。本来の仕事に集中できるようになり、働く時間はもっと価値があるものに変わるはずです。
だからこそ今、Entime は 「人が活きる仕組み」をデジタルで設計する ことに全力を注いでいます。一人でも多くの人が「働くって楽しい」と言える職場をつくる――
それが私たちの使命です。
Entimeの強みは、大きく2つあります。
私は YouTube で 累計 150 本近い AI/Lark を公開しています
題材はすべて “いま支援している現場” で確かめた事実だけ。嘘をつけない現場目線 だからこそ、視聴者(=潜在顧客)からは「自社の悩みが解決できそう」とコメントやDMをいただきます。現在は SNS 経由の案件が新規売上の約 5 割を占めており、商談から着手までのリードタイムも従来比で 75%短縮 しています。
もうひとつは「実例の多さ」です。Entimeでは、Larkを使った勤怠管理やCRM、経費精算、プロジェクト管理など、業種や規模に応じた導入支援に多く対応してきました。全国的にもLarkを本格活用している企業はまだ少ないなか、小さな現場の課題に寄り添いながら、着実に実績を積み上げてきたことが、Entimeならではの強みだと考えています。
運送業:Lark導入で売上を可視化、結果昨年同月比で売上+1,000 万円
自動車リサイクル業:業務フロー短縮 30%、紙コスト 40%削減
これらの経験を踏まえ、Entime は 「日常業務の面倒くさいをゼロに」 をビジョンに掲げ、2027 年度までに Lark 導入 1,000 社 を目指しています。紙もハンコも手放し、「人にしかできない仕事」に集中できる組織 を地方から広げていきます。
Entimeで一緒に働く仲間に求めているのは、スキルよりも「在り方」です。
例えば、過去に大きな失敗や挫折を経験した人こそ、Entimeに合っていると感じます。なぜならそういった人たちは、自分で困難な状況から立ち上がる方法を知っているためです。仕事には必ずうまくいかない時期がありますが、そんなときでも、自分で感情をコントロールして前を向く力がある人は、必ずビジネスの世界で成長できます。
もうひとつは「複数の視点で物事を考えられる人」と共に働きたいです。ひとつの課題に対して、違う角度から捉えられる人は、チームにとって大きな価値を発揮してくれるので、ぜひEntimeへ応募してほしいですね。
とはいえEntimeは、まだまだ小さな会社です。ですが、地方にいながら、全国の企業と最先端のDXに取り組める環境があります。また、働く場所や見た目にこだわりません。金髪でも、フルリモートでも構わないと考えています。大切なのは「自分で考え、前に進む力」があるかどうかですので、単調に仕事をこなすのではなく、心から楽しめる人と一緒に新しい価値を生み出していきたいですね。