株式会社グッドラック
代表取締役

1993年、宮崎県生まれ。立命館大学を卒業後、株式会社マイナビに新卒入社。7年間にわたって、採用支援の最前線でセールスと広告ディレクションを担当し、大手企業ならではの強みと限界を肌で感じる。その後、2023年9月に株式会社グッドラックを設立。採用支援コンサルティング、求人メディア代理、人材紹介など幅広い事業を展開。「全ての企業と人に幸運を。」という理念のもと、徹底したフォローアップとリピート率90%超の実績で、採用市場に新しい風を吹き込んでいる。
私が株式会社グッドラックを立ち上げたのは、新卒で入社した株式会社マイナビで働く中で感じていた思いがきっかけでした。マイナビは素晴らしい企業で、7年間にわたって多くのことを学ばせていただきました。しかし同時に、企業規模が大きいからこそ、どうしても実現できないこともあったのです。
具体的には、企業様へのサポート範囲に限界がありました。たとえば「この職種で困っています」とご相談をいただいても、提案できるのは自社の媒体に限られます。また、掲載後は応募状況の確認や応募者対応のお願いといったフォローが中心で、それ以上に深く関わることが難しかったのです。この流れ自体に問題があるわけではありませんが、私としては「もっとできることがあるはずだ」と、ずっともどかしさを感じていました。
そこで理想とする支援の形を実現することにしました。弊社では、主要な大手求人媒体をほぼ全て取り扱い、採用ニーズに最適な媒体をご提案しています。また、採用担当者にとって大きな負担となる応募者対応も、弊社が代行する体制を整えました。
というのも、応募があってから企業様が返信するまでに1〜2日のタイムラグが生じると、求職者と連絡がつかなくなるケースが非常に多いのです。そこで、弊社が応募者と直接やり取りすることで、そうした機会損失を防いでいます。媒体の提案から求人広告の作成、そして求職者対応まで一貫して担う。この「とことん向き合う」ことこそが、弊社が最も大切にしている姿勢です。
弊社の理念は「全ての企業と人に幸運を。」です。社名のグッドラックも、ここから名付けました。この理念にした背景には、私自身の経験があります。私は小さいころから「運があるよね」とよく言われてきたのですが、そういった実感はありませんでした。ただ努力をしていただけです。そうした努力の結果、目の前に来たチャンスを掴んでいるだけだったのですが、その努力はまわりには見えないので運がいいと思われていたんだと思います。
そこから学んだのは、運とは努力で生み出すものだということです。自らの努力で運を生み出し、チャンスが来たら何が何でも掴む。そして、相手にもその運を分け与えていく。多くの社員とともに、私たちが持つ運を企業や求職者をはじめ、関わる全ての人に届けたいと考えています。
この理念を実現するために、弊社では企業様に対して徹底したフォローを行っています。この業界の営業担当に多いのは、応募が少ない時期になるとフォローの頻度が下がったり、営業担当が諦めてしまったりすることも少なくありません。しかし、弊社ではそうした時期であっても、電話でこまめに連絡をとり、ミーティングも積極的に設定するなど、お客様の状況を常に把握するよう努めています。また、自動返信メールのような機械的な対応は一切行わず、全て人の手で対応しています。古いやり方と思われるかもしれませんが、人と人との丁寧なコミュニケーションが、信頼関係を築く上で欠かせないと考えているのです。
こうした姿勢が評価され、一度お取引いただいたお客様のリピート率は90%以上に達しています。中には、他の代理店や大手人材会社から切り替えていただいた企業様で、立て続けに採用が成功したケースもあります。「ここまでフォローしてもらったのは初めて」「切り替えてよかった」といったお声をいただくことが、何よりの励みです。
起業してわずか2〜3か月後、法人口座の残高が6万円にまで減るという状況に直面しました。銀行に融資をお願いしたものの、売上実績がないという理由で断られてしまい、このときばかりは倒産だと思いましたね。
弊社は副社長と2人でスタートさせた会社です。私が誘った立場ですから、副社長の給料は何としても支払わなければならないと思い、最初の3か月間は自分の給料をゼロにしていました。そうしなければ、会社を存続させることができなかったのです。
そんな崖っぷちの状況を救ってくれたのは、創業初月にお話しさせていただいたお客様でした。複数の企業様からご依頼をいただいたことで、300万円ほどの売上が一度に入ってきたのです。このタイミングでの売上がなければ、会社は持ちこたえられなかったでしょう。そこから少しずつお客様が増え、融資も無事に獲得でき、ようやく事業が軌道に乗っていきました。
この経験が教えてくれたのは、行動をやめないことの大切さです。私には特別な才能があるわけではありません。むしろ能力的には劣っている方だと思っています。しかし、どんな状況でも行動だけは止めませんでした。どんなに苦しくても努力を重ねて動き続けていたからこそ、お客様に助けていただくことができ、危機を乗り越えられたのだと感じています。
今後の展開として、まず力を入れていきたいのが求職者支援の分野です。現在は企業様への支援が中心となっていますが、求職者の方々へのサポートもより充実させていく必要があると思っています。また、最近はインバウンドが大きく増加していることもあり、外国籍の方の就職支援にも取り組んでいきたいと考えているところです。
一方で、市場全体に目を向けると、採用ツールが限られているという課題があります。具体的には、求人媒体への掲載やスカウト型サービスの利用、転職イベントへの参加といった手法がほとんどで、SNSを通じた採用なども出てきてはいるものの、まだ十分とは言えません。
この課題を解決するため、将来的には企業と求職者がストレスなくコミュニケーションをとれる独自のプラットフォームを開発したいと考えています。まだ構想段階ではありますが、採用市場をより良い方向へ導いていけるよう、一歩ずつ前進していきます。
自分がやりたいと思ったことには、ぜひ挑戦してほしいと思っています。学生時代、私の周囲に起業したいと言っていた人は大勢いましたが、実際に行動に移した人はごくわずかでした。挑戦は怖いものですから、安全な道を選ぶ気持ちはよく分かります。それも1つの選択ですし、決して悪いことではありません。でも、本当にやりたいことがあるなら、まず行動を起こしてみてほしいです。一度始めてしまえば、後はやるしかないので何とかなるものです。その一歩を踏み出す勇気が、人生を大きく変えていく、そう思っています。
弊社には自分ができることをとことん伸ばし、できないことはチームで補い合う文化が根付いています。今の自分の能力に自信がなくても大丈夫です。素直さと謙虚さがあれば、刺激し合える環境の中で成長できるはずです。ぜひ一緒に挑戦しましょう。