CEO’s

ワンストップで応える不動産サービスが顧客の「安心」と「効率」を両立させる

SAMURAI CEO2026

株式会社不動産SHOPナカジツ
取締役社長

樗澤 和樹

2009年に新卒で株式会社不動産SHOPナカジツに入社。2012年、25歳で刈谷店支店長に就任し、その後も2015年に執行役員、2016年に取締役と、要職を歴任してきた。高校生のころから30歳までに起業することを夢見ていたが、29歳のときに「この会社で挑戦する方が面白い」と感じ、社内でキャリアを積む道を選択。2019年、取締役副社長を経て、2020年に取締役社長に就任した。現在は、2代目経営者として創業者の思いを受け継ぎ、組織を発展させながら、次世代へとつなぐ経営を実践している。

起業という夢以上に魅力的だった、前向きな仲間との大きな挑戦

私は高校生のころから、30歳までに独立して会社を経営したいと考えていました。そのため就職活動では、早く結果を出せて高い給与が得られ、さまざまな経験ができる会社という基準で選び、新卒で株式会社不動産SHOP ナカジツに入社しました。当時は不動産業界に特別な興味があったわけではなく、あくまで独立に向けた修行の場として捉えていましたね。

しかし30歳を目前にしたころ、結婚を考え始めたこともあり、改めて独立について真剣に向き合うことになりました。そこで気づいたのは、独立という選択が必ずしも最善の道ではないということです。

新卒で入社してから約7年間、私は仲介業務だけでなく、仕入れ業務にも携わり、幅広いスキルを身につけてきました。ところが独立すると、資金面の制約から仲介業務に特化せざるを得なくなります。一方、この会社に残れば、培ってきたスキルを生かしながら前向きで挑戦的な仲間たちとともに大きな目標に挑戦できる。自分の未来を想像したとき、後者の方が間違いなく面白いと思えたのです。そうして会社に残る決断をし、その後、2020年に取締役社長に就任しました。

現在、弊社では不動産売買仲介をはじめ、リフォーム・リノベーション、新築住宅の販売、不動産投資のサポートなど、住まいに関わる幅広いサービスを展開しています。さらにグループ会社ではHR事業も手がけており、事業領域を広げながら成長を続けています。

 

仲介から建築、メンテナンスまで。全国でも数えるほどしかないワンストップサービス

弊社の強みは、不動産に関わるあらゆるサービスをワンストップで提供できることです。具体的には、仲介、リフォーム、土地の仕入れ、住宅の建築、そして引き渡し後のメンテナンスまで、すべてのプロセスを内製化しています。現場管理についても外部に委託せず、自社で一貫して対応できる体制を整えています。

実は、このようなワンストップサービスを実現している会社は、全国でも数えるほどしかありません。なぜなら、不動産業と建築業では必要とされる専門知識が大きく異なり、両方の領域で高い品質を保つことは非常に難しいからです。

では、なぜ弊社がこれを実現できているのか。それは、何よりも企業文化の力だと私は考えています。各部門が互いの専門性を尊重し合い、お客様のために協力するという姿勢が全社に浸透しているのです。たとえば、何か問題が発生したときも、「営業の問題」「工事の問題」と分けるのではなく、「お客様にご迷惑をおかけしたのは会社」という視点で、全部門が一丸となって対応しています。

こうした文化が生まれた背景には、創業者の強い思いがあります。会長は高級ホテルや大型テーマパークのようなホスピタリティあふれる不動産会社をつくりたいと考え、不動産業界に変革をもたらすことを目指してきました。そのビジョンに賛同する人材を採用し続けてきたことが、今の強固な企業文化につながっています。

実際、お客様からは「最初から最後まで同じ担当者に相談できるので、安心できた」「何社も回る手間が省けた」といったお声をいただいており、弊社のサービスに大きな価値を感じていただいています。

 

基本を徹底することの難しさ。今も心に刻む失敗の教訓

営業2年目のころ、私にとって大きな転機となる出来事がありました。契約も取れ始め、仕事にも自信が持てるようになってきた時期のことです。

お客様からの依頼で、売却が難しい物件を担当することになったのですが、私の調査が不十分だったことで、予定よりも売却に大幅な時間がかかってしまいました。見落としていたわけではなく、「これくらいなら大丈夫だろう」という甘い判断をしてしまったのです。お客様は資金的にも切羽詰まった状況で、一刻も早い解決を望んでおられたため、この遅れは深刻な問題となりました。最終的には契約も引き渡しも無事に完了させることができましたが、解決までの道筋は難航しました。

この失敗から得た教訓は、自分にとっては数ある案件の中の一つでも、お客様にとっては人生で最初で最後の大切な取引かもしれないということです。やるべきことが1から10まであるなら、毎回すべてをきっちりとやり遂げなければなりません。また、お客様それぞれに異なる事情や思いがあり、それに寄り添いながら誠実に対応し続けることの大切さも学びました。

当たり前のことを確実に実行し続けることは決して簡単ではありませんが、だからこそプロフェッショナルとして最も大切な姿勢だと、今でも心に刻んでいます。

 

売上を目的化しない。お客様への価値提供を追求する成長戦略

私たちは、2030年に売上1000億円を達成するという高い目標を掲げています。現在の約2倍の売上を今後5年ほどで達成する計画で、この実現に向けて新規事業の立ち上げや積極的な採用活動を進めているところです。出店ペースに合わせて毎年数百人規模の新入社員を迎え入れることになるため、組織として新たなステージに入っていくことになります。

その成長を実現する上で重要なのは、売上を目的化しないことです。数字だけを追いかけるのではなく、お客様への価値提供を追求し、質の高いサービスを磨き続けた結果として1000億円という数字がついてくるという順番は間違えてはいけないと考えています。

そうした中で、私は2代目経営者として、創業者が情熱を持って築き上げてきた企業文化と理念を守りながら会社を発展させていく責任があります。創業者のパワーや情熱は本当に素晴らしいものですが、それを持続的な成長につなげるには、しっかりとした管理体制やマニュアルといった仕組みが欠かせません。情熱で駆け上がってきた会社を、より盤石な組織へと進化させ、次の3代目へ良い形で引き継ぐために、質を伴った成長を追求し続けていきたいと思います。

苦しさを乗り越え、量をこなした先にある次のステージ

タイムパフォーマンスやコストパフォーマンスという言葉が飛び交う時代ですが、それらを追い求める前に、「量」に向き合ってほしいと思います。営業でも何でも、最初からうまくいくことはありません。だからこそ、まず行動の量を増やすことに集中するのです。

最初は苦しく感じるかもしれませんが、その時期に諦めずに目標達成のために考え、試行錯誤を続けていけば、質は後からついてきます。3か月も継続すれば体が慣れてきますし、むしろそれが当たり前の状態になります。そこまで到達して初めて、次のステージが見えてくるのです。

若いうちの差は小さく見えても、それが10年、20年と積み重なったとき、ビジネスパーソンとしての深みや対応力には大きな差がつきますから、ぜひ今のうちから数をこなすことを意識してみてください。

私はこうした姿勢を持ち、一緒に成長していける仲間を求めています。具体的には、会社の成長と自分の成長を重ね合わせ、そこに喜びとやりがいを見出せる方ですね。転勤や新しいプロジェクトへの参加を、自分の可能性を広げる機会として前向きに捉えられる方なら、きっと弊社での挑戦を楽しんでいただけるはずです。