SAMURAI CEO 100
SAMURAI CEO 100

【日本をリードする経営者・川渕誉雄の挑戦】目標を持ったやる気のある若手起業家をオアシスで育成

株式会社オアシス・イラボレーション 代表取締役兼CEO
川渕 誉雄

1982年、高知県出身。2019年、早稲田大学 人間科学部人間情報科学科卒業。2022年、早稲田大学大学院 経営管理研究科修了(MBA)。10代の頃は勉強にも家業にも興味を持てなかったものの、思いがけず23歳でファミリービジネスを継承。事業継続困難、また資金繰りも厳しい経営を、社員一丸となって安定化させ、ビジネスモデルと組織の両輪を整えることで、業績を右肩上がりにする。現在、若手を中心に若手起業家を育てる「オアシス経営塾」を展開中。10年後には1,000億の売上げを目指す。

ビジネスモデルと組織は両輪である、という意識を持つ

弊社の事業の中心は解体施工業で、小規模なものから、ビルやプラントなどの大規模なものまで、全国規模で対応しています。さらにグループ事業として、不動産事業や再生可能エネルギー事業も展開しており、10年後には1,000億円の売り上げを目指しています。

会社を経営して行く上で大切にしていることは、「ビジネスモデルと組織は両輪」という意識です。いくら良いビジネスモデルがあっても、組織力がないと事業を展開していくことはできませんし、逆に、組織が成り立っていれば、どんなビジネスモデルにも臆せず挑戦できます。弊社にとっては、どちらもまだまだ磨き上げる必要はありますが、ビジネスモデルを強化するため、これまでに国内でも数少ない大型解体建機を数機保有し、計画段階からのIT化に力を入れ、解体図面の3次元化システム「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」も実現させました。これによって、より安全に実効性高く作業を進めることができるようになりました。さらに、社内環境の効率化、それから建設業界全体への貢献も視野に入れ、DX推進にも取り組み始めたところです。

組織に関して言えば、M(ミッション)、V(ビジョン)、V(バリュー)、C(カルチャー)を策定しています。具体的には、ミッションは、社員も含め精神的豊かな社会の実現を目指していくこと。ビジョンは、コングロマリット(複合企業体)を形成してグループ全体の規模を拡大すること。バリューは、あらゆるステークホルダーのために八方よしを実現すること。カルチャーは、社員を大切にし、人材育成にも力を入れていくという考えです。このMVVCは、従業員130人が仕事に対する「価値観」を共有するために、「何のために頑張って働くのか」、という目的意識をわかりやすく表現しています。

何をやっているかさえ知らなかった会社を23歳で思いがけず継承

弊社は創業地である高知に本店を構え、2017年には東京へ、2020年には大阪へ進出しました。高知本店だけだった頃は従業員も50名程でしたので、スーパートップダウンで、組織を私の手足のように動かしていたのですが、拠点や従業員が増えると、お互いの意思の疎通が難しくなったり、組織の方向性が擦り合わなくなる可能性も生まれます。ですので、MVVCを共有することは、当然の流れだったと思っています。

このように話すと、私が順調に会社を大きくしていったように思われるかもしれませんが、23歳で代表取締役になった時は、事業継続すら困難で、資金も底を突き始めている状況だったんです。まるで転覆した船を元に戻すような感覚で、必死で営業に駆け回りました。

そもそも弊社は祖父が創業、その後父が継承し、産廃業やマンション建設、解体業を中心に事業を行っていました。私は、いわゆるファミリービジネスの3代目ですが、幼い頃から祖父や父は継承のことを全く口に出しませんでした。唯一、祖母からは「会社を継ぐんだよ」と言われていましたので、多少の刷り込みはあったのかもしれません。一方、私はと言うと、10代の頃は勉強が大嫌い。20歳で会社を手伝うようになるまでは、何をやっている会社なのかさえ知らなかったんです。ただ、父が一生懸命に働く姿を間近で見るようになってからは、会社の役に立ちたいと思うようになりましたし、自分の頑張りが認められることで、仕事を楽しいと思えるようにもなっていました。

そして23歳の時、思いがけず父から会社を継承することになったんです。しばらくは会社を立て直すために私が陣頭指揮を取り、社員一丸となって仕事をこなす日々でした。そんな時に支えになったのが、父から掛けられた「絶対に諦めたらいけない」という言葉です。幸い、従業員との信頼関係もありましたし、「大変な時には助け合う」という高知の土地柄からか、取引先にもずいぶん救われ、私が30歳の頃にようやく業績も安定してきました。

あるとき目にしたビジネスモデルが大躍進のカギに

そんなある日、弊社のその後に大きく影響する光景を目にしました。東京出張で羽田空港に降り立った時、周辺で同業者による大型重機を使った大規模な解体作業が行われていて、「これが自分が目指したい理想のカタチ」だと直感したんです。すぐにレンタカーを手配して時間が許す限り現場を見て回り、本店に帰ってからも、その会社を徹底的に調べ上げ、結果的に弊社のビジネスモデルにできると確信しました。

ただ、資金に余裕があるわけではなかったので、まずは中古の大型重機を購入、修理し、従業員に取扱い資格等を取得してもらいました。おかげで、自社で公共工事の元請ができるようになり、ついに業績が右肩上がりになりました。

同時に組織としても機能するようになり、社員に仕事を任せられるようになったので、自分の勉強のために早稲田大学に入学、その後は大学院へ進みMBAを取得しました。というのも、経営者として圧倒的に知識とマインドが不足していると感じていたからなんです。今後、会社をさらに発展させていくためには、IPO(Initial Public Offering/証券取引所への上場)とM&A(Mergers& Acquisitions/合併と買収)が必要だと感じていましたので、その知識を得るためには学ぶしかないと思いました。仕事と勉強とを両立させた数年間はもちろん大変でしたが、弊社の事業拡大において欠かせない学びになりましたし、私自身も経営者としての自覚と自信が増しました。近頃スタートしたばかりの若手育成プロジェクトも、そこでの気付きがベースになっています。

若手応援プロジェクト「オアシス経営塾」始動

先程触れたIPOですが、それを実現するためには現在の事業をブラッシュアップするだけではなく、継続的に事業を創り出し、発展させることも欠かせません。そこで、「オアシスファミリー」として、社内で目標を持って起業したいというやる気のある若手を応援するプロジェクト、「オアシス経営塾」をスタートしました。

私の経験として、30歳頃は最も体力と気力に満ちて、かつ社会の仕組みもある程度わかってくる年齢です。目標を持っていれば挑戦したいと思う時期ですが、この時に足りないのが資金と経営のノウハウ。ドイツの鉄血宰相と呼ばれたビスマルクの格言に「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」 という言葉があります。 「愚者」は自分で失敗して初めて失敗の原因に気づき、その後同じ失敗を繰り返さないようになるという意味で、これでは経験したことからしか学ぶことはできません。一方で「賢者」は自分が経験できないことも先人たちが経験したこと、すなわち歴史を学ぶことで多くの経験を身につけることができます。ですので、弊社としては目標を持っている若手社員が30歳になるまでの約8年間、知識を共有しながら、あらゆる経営課題を一緒に研究することで、起業意識を高めようと考えています。しかもそこで大切なのは、「致命的な失敗」をしないということ。日本では一度でも事業を潰してしまうと、敗者復活が難しい風土がありますので、できるだけ失敗しない経営者を育てたいと思っています。

今後も、会社の未来を見据えて新たな事業にも挑戦するつもりですが、何よりも大切にしたいのは、「人の役に立つ」という意識を持つこと。これは経営者として、一番の喜びにも繋がります。将来、次の世代にバトンを渡しても、その意識を持ち続ける会社であってほしいと思います。最後に、学生にエールを送るとしたら、「コンパクトにまとまらずに、大きな目標を持て!」ということ。弊社はそんな若者を全力でサポートします。

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