SAMURAI CEO 100
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【日本をリードする経営者・笠原久芳の挑戦】未経験者を優遇する会社

株式会社サンケイエンジニアリング 代表取締役社長
笠原 久芳

神奈川県立横浜翠嵐高等学校、国立琉球大学理学部海洋学科卒業。新卒で西武百貨店に入社。物販と旅行に携わった後、1989年に父親が経営しているサンケイエンジニアリングへ入社した。金属加工経験ゼロに関わらず、NC旋盤等の工作機械を購入し、独自製品を創り始めた。そして2004年に代表取締役社長へ就任。現在のサンケイエンジニアリングが掲げている「電気測定の119番」の基礎を確立した。2014年にはSankeiEngineering(Cambodia)Co.,Ltdを設立し、海外製造の第一歩を踏み出している。2022年5月、山梨県北杜市に未来のものづくりを担う「M&T BASE HOKUTO」を設立。「日本の中小製造業を世界の中核へ」というMISSIONを掲げ、未来へ向けて始動する。

製造業の知識がなく、専門書を読みながら仕事をしていた

現在弊社は「日本の中小製造業を世界の中核へ」というミッションを掲げて、ものづくりを行っています。しかし、昔は製造業に全く興味がありませんでした。高校を卒業してから当社に入社するまで興味を持っていたのは、海やリゾートなどです。「ものづくり」とは正反対と言えるでしょう。私は勉強が苦手だったので、現役での大学入学はできませんでした。そこで「大学には行った方が良いかな」と、とりあえず浪人。そんな時、偶然見つけた雑誌で沖縄が特集されていたのです。それをみた瞬間、直感的に「これだ!」と思いました。昔から興味があった海洋学者になるべく、琉球大学の海洋学科を目指すことを決意したのです。数学も物理も大の苦手でしたが、一から学んだ甲斐あって入学できました。

 

大学卒業後は沖縄で生活していきたいと思っていましたし、沖縄で生きていける術がありました。しかし父親の「新卒入社の機会は一生に1度。会社勤めの経験も役に立つ」との勧めで、会社勤めを決意。新卒で西武百貨店に入社し、物販と旅行に携わりました。ある時に会社を経営している父親から「1年ほど俺の留守を守ってくれ」と言われたことをきっかけに、1989年にサンケイエンジニアリングへ入社。「1年限定だし、父親が経営している5人程度の会社だから楽勝だろう」と思っていました。しかし、今まで分野違いの仕事をしていたので、お客様から言われる単語がほとんど理解できませんでした。お客様からの電話に出ても全く理解できないので、仕事にならない状態です。そこで、お客様からの問い合わせをFAXで受けるようにし、買い込んだ専門書などで単語や原理などを学びながら仕事をしてきました。

人が嫌がることやできないことを率先して行い「電気測定の119番」に

そういった私の状況に関わらず、日本を代表する大手メーカーのエンジニアの方々から、毎日問い合わせや依頼がありました。私の対応が不十分なのに、仕事がくるのです。それは他の会社にできなくても、私たちはできたから。要するに、私たちの代わりがいなかったのです。これは、チャンス以外の何ものでもありません。お問い合わせやご依頼を頂いても、出来ない案件が増えてきました。そこで、必要とされているのに貢献できないもどかしさを感じていました。必要とされているのにできていないことは、ビジネスの種です。「これをできるようにすれば、大きな成果が手に入る!」と動き始めました。

 

そのチャンスを掴みにいくために、自社生産を始めました。もっと自由に設計・開発し、生産できるようにする狙いからです。今まで経験はありませんでしたが「人がやっていることならできる」と、総額1億円の機械を買って、自社生産を開始しました。しかし思うようにいかず、納得いくものを造るのに5年間ほど費やしました。そして私が38歳の時にようやく、自社生産の製品ができあがったのです。私は「人が嫌がることや、できないことを率先してやる」ということを意識しています。私は競争や勝負事には弱いので、競争や勝負がないところを選択してきました。そうすると、必然的に人が嫌がることや、できないことしか残りません。しかしそれをやり続けてきたことで、電気測定に関する大半のことへ対応できるようになりました。そして気づいた時には「電気測定の119番」と胸を張って言えるようになったのです。

 

今までの経験を通して分かったのは「大概のことは何とかなる」ということです。過去や今に縛られず「やりたい!やる必要がある!」と思うならやりましょう。自分が夢中になれることややるべきことを見つけたのであれば、これまでの経験に縛られずにやるべきです。「今までに何をやってきたか」というのは大事だと思います。しかし今までの経験に縛られるのは、自分の未来に制約をかけてしまうかもしれません。私の経験や考えは今でも大事にしており、社員にも浸透しております。

未経験者を積極的に採用し大事にする

今まで私は、競争から逃げ続けてきました。しかしそれが私たちの強みを育み、活躍の場を拡げてくれました。そして日本の中小製造業を世界へとサポートできるような存在になれたのは、競争から逃げてきたおかげです。そんな弊社は、未経験者を積極的に採用しています。製造の現場でも経験者は0人です。技術力が求められる世界ですが、あえて未経験者を採用しています。なぜなら経験者は、自分の知識と経験に頼りがちだからです。難しいことを知っていると、挑戦するのに腰が重くなります。私自身「邪道だ」「非常識だ」と言う言葉を、経験者の方から言われました。

 

しかし未経験で、知らない人は強いです。何も知らないところから、自らの意志と思考で行動し、できるようになった人は逞しくなります。弊社の社員は「できるようになればいいんですね?」とよく言います。できない理由や、やらない理由は探しません。「どうしたらできるのか」だけに焦点を絞ります。どんなに難しいことでも、なんとかするような策を考えるのです。今できることへの執着は要りません。また、今まで培ってきた知識や技術へのこだわりも不要です。ゴールにどう向かうのか。ゴールから逆算してすべきことを考え、実行するような行動が、弊社には浸透しています。

日本の中小製造業を世界の中核へ導くために仕事をする

弊社の思いや考えに共感し、弊社を選んできてくれるのであれば、私たちは全力でサポートします。ただしサポートを受けるには「教えてください、助けてください」と、自ら手を挙げましょう。待っているのではなく自分から行動しないと、サポートはいたしません。入社後1年目は、社内の様々な仕事に触れてもらいます。仕事の基本を中心に「どのような意識を持って思考と行動を身に着けるべきなのか」ということを教えます。その後、OJTに参加してもらうことで、仕事の基礎や基本を実感してもらえるはずです。2年目以降は、小プロジェクトを任せます。個人とチームでの仕事の違いや立場と責任の違い、チームや他部署、社外との仕事の進め方などを学んでいきます。やったことがない仕事ができないのは、当たり前です。難易度が高い仕事ほど、できないことが多くなります。できないことは、できるようになればいいだけです。そのための意識・思考・行動を、1年目から学んでもらいます。

 

会社の経営において、必要な規模や稼ぎがあることは重要です。しかし私自身のために「会社を大きくしたい」という想いも「稼ぎたい」という想いもありません。ただ「正々堂々と正直に胸を張って仕事ができる会社を創りたい」「真剣に仕事に打ち込める会社を創りたい」「派閥や部署などの壁がない会社を創りたい」「互助と感謝ができる、笑顔溢れる会社を創りたい」という思いは、強く抱いております。

 

私たちが描く「中小製造業を世界の中核へ」は「チャンスをできるものに変えていく」ことの積み重ねです。私たちが目指している「日本の中小製造業を世界の中核へ導く」会社がもしあれば、私も頼りたいと思っていました。しかし現時点で、日本の中小製造業を世界の中核へ導けていないのは、とても難しいからです。だったら、私たちでやってやりたいと思います。弊社のミッションである「日本の中小製造業を世界の中核へ」を実現するために、私たちは他社に必要とされるレベルを目指しています。例えば設備の自動化、社内のIT化、人材の採用育成、会社の仕組みづくり、マネジメントなどにおいて、他社に「ここまで出来るのか!」と驚き感動されるレベルを目指しています。そして弊社には、そういった力がつく環境があります。諦めなければ、私達はサポートし続けます。やり抜いた人には、どこでも活躍できる力がつくはずです。

 

もし弊社に興味を持ったのであれば、ぜひサンケイエンジニアリングを観に来てください。会社見学やOBOG訪問は、随時受付中です。裏表なく、ありのままをお見せします。「自分の思い描く未来はあるのか」「先輩社員はどんな試行錯誤をし、何を目指しているのか」などを確かめてください。そこには「あっ!」「えっ!」という発見と驚きがあると思います。現地現物に勝る情報はありません。お会いできるのを楽しみにしています。

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