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日本就職を目指す韓国・台湾人材と日本企業をマッチングする、採用難時代の新しい解決策

SAMURAI CEO2026

株式会社ビーウェルインターナショナル
代表取締役社長

大亀 雄平

兵庫県生まれ。2006年、大阪市立大学(現:大阪公立大学)在学中に株式会社ビーウェルを創業。家庭教師事業から大学生プロモーションマーケティング、そしてHR業界へと事業領域を拡大する。2018年より韓国人材支援事業を開始し、2019年7月に株式会社ビーウェルインターナショナルを設立。現在は韓国・台湾を中心としたグローバル人材の紹介事業を展開し、ソウルと釜山で日本就職専門のフリースペース『KORECカフェ』も運営。日本語・英語・韓国語を操るトリリンガル人材を日本企業に送り出し、中小企業やベンチャー企業が抱える採用に関する課題解決に取り組んでいる。

大学在学中に起業を決意。グローバル人材で日本企業の課題解決に挑む

株式会社ビーウェルインターナショナルは、韓国人や台湾人を中心としたグローバル人材の紹介事業を展開している企業です。ITエンジニアやマーケターをはじめ、営業や広報、さらにはホテリエなど、日本語が堪能な人材を幅広い職種で日本の企業にご紹介しています。加えて、ソウルと釜山で、日本での就職を目指す学生たちが集まる『KORECカフェ』も運営しており、現地の求職者と日本企業をつなぐ架け橋となっているのも弊社の特徴です。

私が経営者を目指すようになったのは、20歳で出会ったある経営者の影響が大きかったと思います。その方は私の8つ年上で、飲食店や物販など多岐にわたる事業を展開していました。約2年間、その方のもとで事業の進め方を学ぶうちに、自分の働き方を自分で決められる経営者という生き方に強く惹かれるようになっていったのです。

そして就職活動の時期になり、就活か起業かという選択を迫られたとき、28歳で成功を収めているその方の姿が頭をよぎりました。20代であれほどのことができる人がいるのであれば、自分もチャレンジしてみたい。そう考え、大学在学中の2006年に弊社の親会社にあたる株式会社ビーウェルを創業しました。

家庭教師事業からスタートし、大学生向けのプロモーションやマーケティング、そしてHR領域へと段階的に事業を拡大していく中で、中小企業やベンチャー企業では優秀な日本人学生の採用が年々難しくなっているという課題に直面しました。国内の人材の確保で難しいのであれば、グローバル人材はどうかと考え、各国を調査したところ、韓国の学生たちが日本のアニメやドラマを通じて日本語を習得しており、ネイティブに近いレベルで話せる人が多いことを知ったのです。そこで日本企業と韓国人材をつなぎ、両方を支援したいとの思いから、2018年に韓国人材支援事業を開始し、2019年7月に弊社を設立しました。

誰も持っていないデータベースを構築し、「戦わない経営」で成長を実現

弊社の事業における最大の強みは、「戦わない経営」という考え方にあります。人材業界は需要が高まっている一方で、日本人の人材紹介は参入障壁が低いものの、大手企業が資本力で圧倒する市場になっています。しかし、外の市場に目を向けた瞬間、状況は一変しました。韓国人材のデータベースを構築している企業がほとんどいなかったのです。需要が高いマーケットに対して、誰も持っていないデータベースを提供できる。これこそが、競合と戦わずに勝てる戦略だと考えました。

海外と関わるビジネスには語学力が必要だと思われがちですが、私自身は韓国語も英語も話せません。それでも事業は成り立っています。通訳を介したコミュニケーションやボディランゲージを活用すれば、言葉の壁は乗り越えられるのです。大切なのは、チャンスを見つけたら躊躇せずに飛び込む姿勢です。誰もやっていないからこそ、大きな可能性がある。この信念が、弊社の成長を後押ししてきました。

20代の失敗が「理解と応援」の原点になった

経営者人生の中で、大きな転機となった出来事が2つあります。

1つ目は、27歳のときに経験した事業の再出発です。私は23歳で起業してから、若さと勢いに任せてさまざまな事業に挑戦してきました。未経験の分野にも積極的に投資しましたが、経営ノウハウが不足していたため資金管理に課題が生じてしまい、社員全員に別の道を歩んでもらうことになってしまいました。

この経験を通じて学んだのは、お金を大切に扱うことの重要性です。どれだけ情熱があっても、経営にはしっかりとした資金管理が不可欠だと身をもって理解しました。そして何より、仲間の存在の大きさを痛感したのです。当時の私は自分のやりたいことを優先し、社員一人ひとりの夢や思いに十分に向き合えていませんでした。この反省が、今の「理解と応援」という経営スタイルの原点になっています。一人では会社は成り立たないと、深く心に刻むことができました。

2つ目の転機は、コロナ禍での決断です。2018年から韓国での事業に力を入れ、現地法人の設立やKORECカフェの開設などを進めていた矢先に新型コロナウイルスが流行しました。経営者仲間からは撤退を勧められましたが、韓国の学生たちの日本で活躍したいという強い思いを知っていた私は、事業の継続を選びました。社員たちとともに組織構造を見直し、コストを最適化しながら事業を守り続けたことが、現在の飛躍的な成長につながっています。困難なときこそ、信念を貫く勇気が未来を切り拓くのだと実感しました。

AI時代だからこそ問いたい、人の心を理解する採用の本質

今後は、韓国・台湾に加えてマレーシアでも事業を展開してみたいと思っています。人材事業に限らず、さまざまな可能性を模索していくつもりです。「どれだけ世界に友達がつくれるか」というワクワク感を持ちながら、これからも新しい出会いを求めていきたいですね。

そうした中で、人材業界全体の変化も注意深く見守っていきたいと考えています。AI面接やAIマッチングは、効率化という観点では素晴らしい技術だと思いますが、採用は人生の重要な分岐点であり、人の可能性や心を理解することが欠かせないとも感じています。表情や話し方、そしてその人が歩んできた人生そのもの。こうした、生身の人間同士でしか感じ取れない情報こそが、本当のご縁を生むのではないでしょうか。テクノロジーの進化を取り入れながらも、人の心を理解する採用のあり方を追求していきたいと思っています。

百聞は一見にしかず。人に会い、自分の視野を広げていこう

若い方々にお伝えしたいのは、まず人に会うことの大切さです。今はWebで簡単に情報が手に入る時代ですが、画面越しの情報だけでは得られないものも数多くあります。実際に人と会い、対話することで初めて見えてくる本質があるのです。「百聞は一見にしかず」という言葉は、私自身がグローバル事業を展開する中で何度も実感してきました。

そしてもう一つ、グローバルな思考を持つことも重要です。これからインバウンドはさらに増え、外国人と交流できる機会が広がっていきます。電車やカフェなどで隣に座った外国人に話しかける勇気を持てれば、世界中に友達ができるチャンスが生まれるのです。

視野を広く持ち、さまざまな出会いを経験することで、皆さんの可能性は大きく広がっていくでしょう。

弊社では、そんなグローバルな思考を持ち、人の気持ちを理解できる仲間を求めています。抜群に成長したい方、世界に挑戦したい方、将来は経営者になりたいという夢を持つ方も大歓迎です。グローバルな舞台で自分を試したいという方とお話しできれば嬉しいですね。